栗原聖書バプテスト教会 牧師 岸浪市夫
「教会と出会ってから、本当に変わったよ…。」
これは、今回、四人の人から言われた言葉である。そうしたら、そばにいた一人の主婦の方が、「私だってそうだよ」と、五番目の声を上げてくれた。
初めに話しをして下さったのは、気仙沼市本吉町の蔵内に住む三浦さんだった。5月20日に三浦さんの家でコンサートをした時「俺の家にこんなに人が来て、 こんなに嬉しい日を迎える事が出来るなんて、俺は考えてもいなかった。本当に嬉しい、こんなに皆さんに良くして貰って良いのかなって思う。俺は、今回、災害にあって本当に良かった。沢山の人々と出会って、力を貰って、こんなに嬉しい事はないね…」
同じような事を奥様からも話された事があった。ある時の昼食の時に言われた。「私ね、この津波が来た時から今日まで、これからどうやって生きて行ったら良 いんだろうかと、毎日考えていたんですよ。毎日ここに来て、下ばっかり向いて、何んにも力が出なかった…。うちの人も、ここに来ては、少し片付けをすると下ばっかり向いて、本当に何んにも力が出なかった。そこに、岸浪さんたち教会の人達が来てくれたんですよ。本当に力になったんですよ。今まで、災害がある と、物資だの援助だのとよく話しを聞いたけど、心のケアなんて必要があるのかと思っていた…。でも、自分がこんな災害にあって見ると、如何に心のケアって 大切なものかが分かった。本当に皆さんから力を貰ったんですよ」と語ってくれた。下向きで語って下さった奥様の話に、私は不思議な神様の導きと、人を愛し ている神様の心が分かった気がした。
そこに、旦那さんが入って来て、出会った時の感想を話し始めた。「俺は本当に皆さんから力を貰ったよ、有りがたかった。教会の人と出会って本当に俺の人生 変わった。あの頃は、俺は何にも力が出なくて、下しか見られなかったもんな…。そして、何か必要な物は無いですかって言われても、遠慮して何んにも言えな かった…。それでも、俺も甘えて見ようかなと思ったんだ。俺は、嬉しかった…、教会の皆と出会えて、本当に力もらったよ、教会の人と出会うと、初めての人なのに、昔からの知り合いの様な気がしてくるんだよな…。あんた達の神様は凄い神様だな…。俺は本当に嬉しいよ」いつも、いつも私達と会うと、三浦さんは 出会った当時の事を何回も言う。そして、もう一度船を買い、今回、再起をかけて北海道で整備を受けるために出発してゆく。そのお祝いをして上げたい…、そ う言う動機で、今回の三浦宅でのコンサートを企画したのだった。
勿論、ホープジャパンやサマリタンズパース、そして、東北応援団ラブイーストの皆さんの応援、そして、私達の保守バプテスト同盟の諸先生方にも協力して頂 いた。船を流され、家を全壊し、命からがら助かったとんでもない災害を、三浦さんは今「良かった」と言って下さる。神様の愛と、皆さんの心の込もった愛の 贈り物で、三浦さんとその家族の心が「俺、災害に出会って本当に良かった。こんなにも沢山の皆さんとと出会えて、そして、神様と出会えて、本当に良かっ た」と語られる…。「俺、本当にやるからね、必ず、俺のサンマを教会のみなさんに喰わせっからね…」と立ち上がる三浦さんを見ると、この姿に神様がこの人々を愛している事が伝わってくる。遠くシンガポールから来て下さった皆さんの愛、そして南アフリカのスティーブンさんとその教会の皆さんの愛…。また、マレーシアの皆さん、アメリカの皆さん、又、酒田や沢山の教会の皆さんの愛…。その愛がなければ、三浦さん家族は立ち上がれなかったと思います。何と大き な神様の愛を伝える事が出来たんだろうと思いました。
こんな大きな愛の届け役を、私の様な者に与えて下さった神様に心から感謝したいと思います。これからも、私達の働きに、暖かいご支援とお祈りをお願いいたします。
栄光在主